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一方通行「どうかしてるぜェ!!」(短編)(一方通行が完全にロリコン) 美琴「ちょっとアンタ!」禁書「なぁに?」(短編)②
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ビーチフラッグ(5人1レース) フォルテッシモ「下らんお遊びだが、たまには悪くないかも知れんな。」 一方通行 「メンドくせェなァ。んなもん誰が勝つかなんて分かりきってんだろうがよォ。」 フォルテッシモ「なかなか面白いことを言ってるなお前?強いのか?いや、言わなくてもいい。分かる。」 一方通行 「あァ?ンだこいつァ?ミョーな形のクロスなんか着けやがって面白いつもりかァ?」 静雄 「おい、もう始まるから止めとけ。・・・止めろっつってんだろうがテメェらァァァァ!!!!」 Aくん (とばっちりが来ませんように来ませんように来ませんように) 『位置について、よーい、』 『ドカァァァァァン!!』 静雄 「死ね!死ね!死ね!!」ひたすら殴る 一方通行 「やんのかテメェ!?」プラズマ発生 フォルテッシモ「待て。どうせ戦るなら俺を楽しませろ!」空間断裂 Aくん 「・・・」返事が無い。ただしかばねのようだ。 『早速の殺し合い!このキャスティングからすれば容易に予想できたこと!実行委員は何を』 『ズササーッ!』 『おーっと!?この混乱を抜け出し一つしかないフラッグを奪取した強者は!?』 上条 「危ねぇ!死ぬとこだったマジでっつーかアイツら信じられねぇ!! 峰島のユニバーサル迷彩無かったら真っ先に死んでたって俺!」 『・・・・・・』 上条 「ちょっと待てコラ!なんだその『あーあ、』見たいな沈黙は!?観客も含めて何黙ってんだよ!?」 インデックス(さすがとうま、天性の『ふらぐげったー』なんだよ。) CAST とある魔術の禁書目録 一方通行 上条当麻 インデックス ブギーポップシリーズ フォルテッシモ デュラララ!! 平和島静雄
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(二日目)10時39分 第二三学区。 航空、宇宙産業を専門とする学区であり、他にも軍事関係の施設、企業が立ち並び、学園都市の生徒に内部構造はあまり知られていない。 普段は企業関係者が多く行きかう航空ターミナルへの巨大ブリッジ。しかし今は、誰一人ともおらず、一部の風力発電のプロペラの音だけが鈍く響く不気味な静寂さが漂っていた。 その中心に白髪の少年はいた。 強く胸を抑えていた。体からは恐怖感から来る汗と、口元からは鮮血が滴り落ちている。 「はあ、はあ、ぐっ、がはッ!」 (無理しないで!ってミサカはミサカは命にかかわる危険性を訴えてみる!) 「バカ野郎。無理やり痛覚の電気信号を抑えてると、一気に受信してショック死しちまうンだよ。少しは流しとけ。温度まで感じなくなッちまうと後が怖ェからな」 (でもでも、さっきの『白い羽』のせいで体がボロボロなんだよ!左腕の二の腕は一四センチの裂傷。肋骨は五本骨折してるし、動脈だって傷ついてる!ってミサカはミサカは貴方の体の状況を報告してみる!) 「…ンな事は分かってんだ。体内の『ベクトル操作』は任せたぜ。激痛が走ると演算に支障をきたしちまう」 膝に手をつき、体を起こした。先ほどまでの痛みが引いていく。『打ち止め(ラストオーダー)』が痛覚の電気信号を『ベクトル操作』で抑えたのだ。白髪の少年は口に溜まった血を吐き捨てると、体の動作確認をした。 (…痛覚を止めたってことは『感覚』が無くなッてるってことだ。体を動かしてる『感覚』はあンだが、服を触ッてる『触感』が無え) 「ラストオーダー。あとどのくらいだ?」 (すでに全治二か月程度の負傷。これ以上怪我をすると緊急手術をしても危ないかも。特に胸部のダメージは注意して。さっきの怪我で、腎臓と肺を傷つけてるからってミサカはミサカは貴方が私の言うことを聞かないのを了解しつつも、冷静に貴方に警告してしてみたり) 「へッ、うッせ」 『一方通行(アクセラレータ)』は口元を歪ませた。その唇からまたもや血が流れているのに気付かないまま。 少年の背後から足音がした。 ゆっくりと、白髪の少年は振り返った。全身の『方向(ベクトル)』を「反射」に切り替える。『一方通行(アクセラレータ)』の赤い瞳は一人の少年をとらえた。 『上条当麻』という、人の皮を被った『怪物(ドラゴン)』を。 多くの人で混雑する幅一五メートルの階段も今は無人。その中心を下りてくる。悠然とした態度で歩調は乱れない。 服装は白いワイシャツに胸元からは赤いTシャツとピンクゴールドアクアマリンのネックレスが見え隠れしている。下は長点上機学園の制服のズボンに学校指定の皮靴を履いている。『竜王の顎(ドラゴンストライク)』の出現と同時に右腕の服が吹き飛んでいた。どこかでシャツを調達したのだろう。見るからに新品特有の純白さが残っている。 二人の距離は約五〇メートル。 その間に行き交うのは殺気に満ちた視線が交差する。 相手の機微を詳細に分析し、あらゆる思考を巡らせ、反撃の機会を窺う赤い瞳と、強烈な存在感と共に確固たる意志を感じさせる黒の瞳。両者とも不敵な笑みを浮かべていた。 「『ドラゴン』。一つだけ教えろ。なぜオマエは俺の意識だけをこの時代に跳ばしてきた?」 ピタリ、と『魔神』の足が止まった。黒い瞳が白髪の少年の視線を正面から捉えた。 「なに、貴様に興味があっただけだ。この『上条当麻』とは対照的で、よく似ている貴様にな」 「あ?俺がその能天気なテメェと似てるだと?反吐が出るぜ。つかオマエはそんな下らねェ理由で、こんなフザけたお遊びをしたってワケか」 一瞬、『一方通行(アクセラレータ)』の頭は怒りで沸騰しかけたが、無理矢理に感情を抑え込んだ。 敗北条件は『魔神』の機嫌を損ねること。 『一方通行(アクセラレータ)』はそれを理解していた。『魔神』は、『上条当麻』の能力である『触れた物体を消滅させる能力』に、学園都市外にある山を貫通する威力と射程距離を持った巨大レーザーを発射する『ドラゴン』としての能力もあり、底が知れない。能力の全貌を知ってしまえば、戦いを破棄するという選択権が最良である理解してしまう可能性も否めないのだが、核ミサイルすら傷一つつけられない学園最強の超能力を持ってしても、真っ向な勝負では『ドラゴン』には絶対に勝てない。幾度と無く、裏社会での殺し合いに身に置いていた彼の本能がそう告げていた。 ひとつだけ、策はあるのだが、まだそれを実行するべきでは無い。 さらに、と『一方通行(アクセラレータ)』は付け加える。交渉の余地がある事自体、希望が持てる。『ドラゴン』は人を下等な生物だと見下していることから、自分自身に対して、強烈な自尊心(プライド)がある。敵を嬲るという『三流の殺し方』からもその傲慢さが垣間見える。そのおかげで、『一方通行(アクセラレータ)』は2時間以上の戦いを持ってしても殺されていないのだ。国家間の争いでも同様である。人的、物質的被害を被る戦争よりも、長期にわたる会議による解決の方が互いの損失は最小限で済む。大きな問題であるほど、交渉による解決はその有益性は増すのだ。 けれど、これももはや時間の問題であった。 「いや、これは余の意図していたものではない。まさに『運命』ともいえよう」 「神のお導きってヤツか?生憎、俺はそんなもんはハナから信じねえ性格(たち)だ」 「『俺』も貴様も、強大すぎる力が故に、その力を開花させることを『世界』から拒まれた。『俺』は常に『不幸』な人生として。貴様は『超能力』という『殻』で本来の力を隠蔽しつづける人生としてな」 『魔神』の含みのある言動に、白髪の少年は眉をひそめた。 「…俺の本来の力だと?」 「本来の力、というより『人為的な偶然の産物』といったほうがいいだろう」 「テメェは俺の何を知っている?」 「余は『人』として生きていけない人間を知っているだけだ」 「強大な力を持つ者は、それだけで人の輪から外れてしまうものだ。異質による違和感と恐怖感によって、同種でありながら交わることを拒絶される」 「それでは『人』としては生きていけない。貴様なら理解できるはずだ。その『超能力』とやらで数奇な人生を辿ってきた貴様ならな」 『一方通行(アクセラレータ)』は答えられなかった。彼が『超能力者』でなければ学園都市の暗部とは全く無縁の世界で生きていただろう。普通の学校で、普通の友達と触れ合い、群衆に紛れて、日々の雑事に葛藤する人生を歩んでいた。人を殺すことも無く、自分の名前を忘れることも無く、人を拒絶することも無く、友達を作り、恋人を作り、日常に退屈を覚えるような光のあたる世界にいた。 「随分とペラペラと喋るじゃねエか。何だテメェは、そんなに一人ぼっちが寂しいか。あ?」 「ああ、寂しい」 「ふん、じゃあ、テメェを倒してまた一位に君臨してやるぜ。第二位ってのは中途半端で気持ち悪いんでなァ」 「なら頼む。余を倒してくれ。でないと、退屈で世界を滅ぼしてしまいそうだ」 「ハッ。笑えねェ冗談だなオイ」 「だが、これは『俺』の望むところでは無い。出来ることなら構わないがな」 その言葉に、白髪の少年は口元を邪悪に引きつらせた。 「アァ、じゃあお望み通り、殺してやるよ」 「!」 『魔神』は目を見開き、ハッと右手で自分の口を塞いだ。 「…貴様!」 「もう遅えンだよ!」 『一方通行(アクセラレータ)』は両手を『魔神』へ突き出し、白く細い両手の拳を強く握りしめた。 その瞬間、周囲の風が逆流する。『魔神』は膝をついた。首を右手で抑え、左腕で口元を拭った。 「ハッハ!俺が何でテメェにケツを振りながら逃げ回ったと思ってンだ!?より多くの大気に触れるためだ。それに俺の背後にあるプロペラだけが回ってンのもおかしいとは思わなかったか?追い風ができるように細工してたンだよ。テメェに届く空気を操作できるようになァ!」 その問いに、『魔神』は答えられなかった。咳と共に、唾液や胃液が吐き出される。 「テメェは幾ら強かろうが所詮はホモサピエンスっつう動物だ。呼吸できなければ死ンじまう。ならテメェを取り巻く大気を掌握して、低酸素濃度の空間を作っちまえばいい」 白髪の少年は、さらに口元を引きつらせ、『魔神』に向かって中指を突き立てた。 「あとよォ」 と、『一方通行(アクセラレータ)』は言葉を紡いだ。 「テメェの肺にある空気も、俺の支配下にある」 もう一方の手の親指を突き立て、その指を地面に向けた。 「…げぼっ!っつ、ガハッ!」 嘔吐を繰り返し、『魔神』は、強く胸を抑え、両膝をついた。 先ほどまでの余裕がまるで嘘のように地面に這い蹲っている。両腕は小刻みに震え、頭は項垂れたまま動かない。人間が七パーセント以下の低酸素濃度の空気を吸い込むと、脳内に急激な酸欠状態を招き、意識が朦朧となってしまう。そして、日差しが照りつける太陽の下、『魔神』は大きな闇に覆われた。 頭上には、三〇トンを超す大型旅客機が落下していた。 ここは多くの交通機関から国際ターミナルへと繋がる合流地点であり、他の通路と比べても数倍の面積を持つブリッジである。 あまりにも場違いな無人旅客機。エンジンが稼働していない飛行機は、数分前から『一方通行(アクセラレータ)』の『ベクトル操作』によって動かされていた。 迫りくる鋼鉄の鳥。圧倒的質量のある物体に押し潰されれば、タンパク質の塊である人の肉体など原型すら留められない。 『魔神』は旅客機を『消滅』させる。 白髪の少年はそれを読んで、他の旅客機から一〇〇〇キロの重油タンクを2つ、予め抜き取っておいた。それをブリッジの両側にある街路樹をカモフラージュにして配置していた。 『一方通行(アクセラレータ)』の真の狙いは、旅客機による物理的な死では無く、爆破と素粒子の『ベクトル操作』での酸素欠如による窒息死。『魔神』は瞬時に移動できる術を持っていない。幾ら強大な能力を持っているとしても、生身の肉体を持った人間なのである。酸素無くして生物は生きられない。そこに勝機を見出したのだ。 落下速度から旅客機が『魔神』と衝突するのはもう1秒足らず。 そんな絶望的な下、『魔神』はゆっくりと立ち上がった。 『魔神』は襲いかかる巨大な闇を見上げ、言の葉を告げる。 「風よ。余に従え」 突如として、人為的な大気の動きが止まり、ピタリと鋼鉄の鳥が空中で静止した。 「ッ!!」 想定外の事態に戸惑う暇は無い。瞬時に両サイドに配置された重油タンクを動かそうとして、 それらが全く動かなかった。 それどころではない。全身が動かせない。 『一方通行(アクセラレータ)』の思考は凍り付いた。 このブリッジを落とし、距離を取って再機を謀ることも出来無い。 『魔神』は俯いたまま、その場に立ち尽くしている。 「少々貴様を侮っていた。…ふむ、右の肺がやられたようだな」 『ベクトル』を使って距離を取ろうにも、指一つ動かせない。白髪の少年の背筋に言い知れぬ怖気が走る。まるで死神に心臓を握られているかのような錯覚にとらわれていた。息することさえ許されないように。 『魔神』は顔を上げ、白髪の少年と視線が交差する。 そこにあったのは満面の笑み。上条当麻を知っている者であれば、見たことも無いほどの邪悪に口を歪ませた笑顔。その笑みが崩れぬまま口元の血を袖で拭い、言葉を紡いだ。 「余の命令だ。本気を出せ。『魔王』」 トン、とコンクリートの床に足を踏んだ。 『魔神』がしたのはただそれだけだ。 なのに、 グチャリ、と『一方通行(アクセラレータ)』は地面に崩れ落ちた。 同時に体中から鮮血の飛沫が舞う。 無人のブリッジの上で、学園都市第二位の『魔王』が慟哭した。 「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 何が起きた?『一方通行(アクセレレータ)』に激痛が走った。一瞬にして全身の筋肉が萎縮し、力を失った体は、糸の切れた操り人形のように床に叩き付けられた。 血液が沸騰したように体が焼き尽くされた錯覚が脳を襲う。 ヒトとしての理性も感情も一瞬にして吹き飛び、残るのは人間の本能が剥き出しになった動物としての姿。 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。 「ぐッ!ば、はァ!…ひ、ひゅ、ヒュー、ぐェあ、オエェッええ!」 地面に消化物が混ざった胃液を吐き出した。肺に残る酸素は全て吐き出され、呼吸すらままならない。 地面でもがく白髪の少年を、笑顔で見据えながら『魔神』は告げる。 「余を起点に『上条当麻』の力を直径1キロ展開しただけだ」 理屈は簡単だ。『幻想殺し(イマジンブレイカー)』によって、体内を操作していたベクトルが打ち消されたのだ。傷口から血が溢れ出し、制服で隠れていないYシャツは真っ赤に染まる。制御していた電気信号は正常に戻り、痛覚の電気信号が一気に直接脳へと流れ込んだ。 そんな『魔神』の告白も、白髪の少年の耳には入らなかった。 「さて、と」 モゾモゾと床を蠢く『一方通行(アクセラレータ)』を横目に、『魔神』は右手を振り上げる。 頭上に静止してい三〇トン強の旅客機は、周囲の大気ごと『消滅』した。 ゴオォ!!と、一瞬遅れて轟音と共に爆風が巻き起こる。 『魔神』を中心とした竜巻のように舞い上がる螺旋の爆風。 白髪の少年の華奢な体は、風に揺られるビニール袋のようにゴロゴロと転がり続け、ブリッジの端にある街路樹の花壇に激突した。ペンキで無造作に塗られたように、床に鮮血のアーチを描く。 コツ、コツ、と、足音をコンクリートの床を響かせるように、ゆっくりとした歩調で『魔神』は白髪の少年の元に近づいていた。 距離は僅か、五メートル。 無様に床を這いずる『一方通行(アクセラレータ)』を見下ろしながら、『魔神』は言葉を紡ぐ。 「どうだ?無能力者というのは。非力なものだろう?」 非力。 その言葉に、『一方通行(アクセラレータ)』の心は深い『闇』に染め上げられた。 意識が朦朧としながらも、血で塗れた鋭い眼光で黒髪の少年の姿を捉える。 この命に代えてでも、『ドラゴン』を粉砕することをここに誓う。 右脳と左脳が割れ、その隙間から、何か鋭く尖ったものが頭蓋骨の内側へ突き出してくる錯覚。脳に割り込んでくる何かは、あっという間に白髪の少年の全てを呑み込んでいく。果物を潰すような音と共に、両目から涙のようなものが溢れた。それは涙ではなかった。赤黒くて薄汚くて不快感をもよおす、鉄臭い液体。頬を流れる液体は、白髪の少年にとって不快なものでしかない。 カチリ、と。 頭の中で、何かが切り替わった。 少年の自我が深い闇に塗り潰され、擦り切れる音が気こえた。ドロドロに染まる真っ黒な感情。 「ォ」 叫びとも呪文とも聞こえる白髪の少年の咆哮。 「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオォ!!」 白髪の少年の背中から噴射する黒の翼。その規模は爆発的に展開し、一瞬にして数十メートル上空へと伸びていく。 『魔神』はそれを見て、邪悪な笑みをより一層、顔に刻んでいく。 「余に示せ。貴様の――――――――――――『竜王の翼(ドラゴンウイング)』をな」 晴天の空を塗り潰す黒の翼。 赤く染まった眼球が捉えるのは、不適に笑う得体の知れない少年。 ドス黒い一対の翼は、ブリッジにある街路樹やコンクリートでできた床、巨大エスカレータ、ガラスの破片、一〇〇〇キロの重油タンクなどの周囲の物体全てを巻き込んで、 『魔神』を呑み込んだ。
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【名前】ヒュンケル 【出典】ダイの大冒険 【性別】男 【年齢】21歳 【名ゼリフ】「……ここで奴を倒せるのならば……オレの生命すべてを振り絞ってもいい! 散っていった友達よ! この不出来なオレに最後の力を…………!!」 【支給武器】ハイペリオン@ファイナルファンタジーⅧ、手錠@俺の妹がこんなに可愛いわけがない 【本ロワでの動向】 登場話にてキルア=ゾルディックによる折原九瑠璃の殺害現場を目撃。 アバンの使徒として殺人行為に乗ったキルアを許せるはずもなく戦闘に至る。 だが返り討ちにあい、キルアに心臓をくり抜かれ早くも彼の冒険はここに終わった。 ――――しかし彼は生きていた。 死の間際の集中力により極限にまで高まった光の闘気で抜き取られた心臓を代用。 まさしく奇跡ともいえる復活劇であった。 そしてその直後雨宮桜子に襲われかけるが、なんとか逃げ切る。 第2回放送直前にいーちゃん 上条さんvs零崎人識 一方通行の同作キャラ対決を目撃。 その戦闘は決着こそつかなかったものの、いーちゃんはともかく上条側を正義とするならば、明らかに零崎人識、一方通行は悪側であった。 アバンの使徒として悪を許せるはずもなく、後ろから駆け抜けた男が零崎人識を追っていたので自身は一方通行を追った。 いざ戦闘を始めてみればベクトル操作という未知の超能力に圧倒されるヒュンケル。 だが、攻撃を続ける内、魔法や空の技に対する反射が完全でないことに気づく。 そこに勝機を見出したヒュンケルは空の技を中心に攻撃を行うが、それは一方通行に解析材料を与える結果となった。 そして、トドメを刺すべく放たれたグランドクルスはその半分を一方通行に、その半分を術者であるヒュンケルに返す結果となった。 半分とはいえその威力は凄まじく二人の生命を消し飛ばすには十分であった。 ――――しかし彼は生きていた。 ほんの僅か、HPにして1という本当に紙一重の差。 あと僅かでも一方通行の理解が及んでいればヒュンケル命はなかっただろう。 が、原作でも似たような状況でも戦闘をこなしていたヒュンケルは正宗での回復も待たずに対主催のチームと合流することを急いだ。 途中でデモンベインレイプ事件に遭遇したり、葦原と遭遇し共に料理を振る舞ったりなどした。 その後雨宮桜子による葦原涼の殺害現場を目撃。 料理の縁もあり、アバンの使徒としてこのような殺人行為を見逃せるはずもなく戦闘に至る。 ヒュンケルの知る魔法とは法則がまるで違うPSI能力に苦戦を強いられる。 そしてヒュンケルの放ったブラッディースクライドと雨宮の放ったバーストによる黒鎌が互いを貫き相打ちという形でその戦いは決着した。 ――――しかし彼は生きていた。 幸運にも装備していたアバンの証が紙一重で彼を守ったのだ。 葦原の遺体から回収した劔冑正宗にその正義の心を認められ仕手となる。 尚、正宗は肉を切らせて骨を断つという言葉そのものの仕様であるある反面、仕手への再生能力も非常に優れ、ヒュンケルの力も相まって心臓をある程度復活させることに成功。 その仕様故にヒュンケルと相性がよく、ヒュンケル自身も鎧の魔剣などの纏う武器を使っていたこともありすぐに使いこなすようになった。 意思持ち支給品であり、かなり自己主張が強くうるさいのが難点だが。 そして冒険も終盤。 イエス・キリスト、スコール・レオンハート、巴マミ、天野銀次、水銀燈の5人の仲間を得たヒュンケルは最後の壁として立ちふさがるラインハルト・ハイドリヒと対峙する。 彼我は余りにも絶望的な戦力差であったが、キリストがロンギヌスの槍を道連れに召され、正宗を犠牲にしての天罰覿面によるハイパーボリアゼロドライブでリベル・レギスに大打撃を与え、スコールと銀次の犠牲によって至高天も崩壊。 聖約・運命の神槍を自らの腹部パーツがないことを活かして躱した水銀燈が作った僅かな隙に、仲間たちの想いと己の全生命力を込めたグランドクルスを放ち、強敵ラインハルト・ハイドリヒを撃破した。 すべての生命力を使い果たし、不死身と呼ばれた男はついに最後の眠りについた。 ――――それでも彼は生きていたのか 彼の世界のエピローグでは記憶を失った男が登場し、その外見はアバンの長兄に酷似しているとされていた。 それが彼本人であるかどうか、真実は誰にもわからない。
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6 視覚潰し(ライトメーター)の放った弾は、そのまま一方通行(アクセラレータ)の脳に直撃し、 その瞬間、 一方通行(アクセラレータ)の体が、消滅した。 「…ほう♪楽しませてくれるそうですわねぇ」 視覚潰し(ライトメーター)は、あまりその事実を考えないようにし、次の手を考える。 先ほどの一方通行(アクセラレータ)は、能力を使用できる状況ではなかった。 さらに、一方通行(アクセラレータ)の能力では、あのような演出をすることは出来ない。 ということは、 (…心理掌握(メンタルアウト)、と言いましたっけ?あの女が、一枚噛んでいるようですわね!) すぐに銃口を鏡子へと変える視覚潰し(ライトメーター)。 だが、 「遅いですよ、凄く」 そんな声が、視覚潰し(ライトメーター)のすぐ近くでした。 視覚潰し(ライトメーター)が視線を下に逸らすと、 腰の辺りで海軍用船上槍(フリウリスピア)を構えて姿勢を低くしている、五和が映った。 とっさに下に向けて発砲する視覚潰し(ライトメーター)。 しかし、五和は銃口が自分に向けられようとしている時点で回避行動に移っていたため、五和には当たらない。 (…まずい!?私の能力が、効いていない…!?くっ、また発動すればなんとか――ッ) 楽観的に物事を考えることで、能力使用への障害を生まないようにする視覚潰し(ライトメーター)。 そして、一瞬の後、彼女の能力は再発動された。 が、 後ろからさっきを感じ、身をかがめ地面に伏す視覚潰し(ライトメーター)。 その次の瞬間、 彼女の、地面に伏した状態の頭の上を、凄い速さで氷と炎が飛んでいった。 「…」 思わず、行動が少し停止してしまう視覚潰し(ライトメーター)。 その先に、何が待ち受けているのかも分かっているのに。 と、そう考えた時には、 彼女の元に、グループBの全メンバーが集っていた。 その中の一人――――リーダーの一方通行(アクセラレータ)が、まるで死刑宣告を言い放つ裁判官のように視覚潰し(ライトメーター)に告げる。 「まァ、そこらの漫画か何かならここで種明かし、ってェことになるンだろォけどよォ」 その口が、禍々しく曲がる。 「…『まだ』テメェら全員を潰したわけじゃァねェンだ。このまま死ね」 そして、 『死』が宿っている、悪魔の右手を、まるで罪人を救う救世主のように視覚潰し(ライトメーター)へと差し伸べた。 7 そして、神裂に向けて発砲した。 彼女の存在は、彼女自身能力やほかの超能力者(レベル5)によって気づかれていないはずである。 それにより放たれた弾と神裂との距離は、実に3M。 どう考えたって、人間に避けることの出来る範囲を超えている。 だから、触覚壊し(センサーブレイク)は神裂が倒れる音とともに一気にほかの連中も殺そう、と考えていたのだが――――― 血飛沫は、上がらない。 それどころか、悲鳴や人の倒れる音さえ聞こえない。 ――――いや、それ以上に恐るべきことが、彼女の視覚を伝って脳に伝えられた。 …一瞬前まで目の前にいた人間全員が、触覚壊し(センサーブレイク)の視覚できる範囲にいない。 …いや、と、触覚壊し(センサーブレイク)は思う。 もしかしたら…、 自分が相手しているのは―――― と、そこまで考えたとき、 「七閃」 という女の声が聞こえた。 その声の主の居場所を確かめようと、周囲を見回す触覚壊し(センサーブレイク)だが、 その目に映ったのは、 ただ、眼前に迫り来る『死』――――、それだけだった。 「…ふむ?」 神裂火織は、自分の帯刀している日本刀…七転七刀の柄に手を載せて体を緊張させたままの状態で言った。 「…あの、女教皇(プリエステス)?」 その神裂の背後に、しりもちをついたまま起き上がれないでいる対馬が言った。 「何ですか?」 「…あの、できれば私たちにも何が起こったのか、説明をしてほしいのですが…」 私たち、というのは天草式のメンバーのことを言っているのだろうが、海原も何が起こったのかは分かっていない。なぜか余裕綽々の笑みを浮かべているから分かりにくいが。 「ああ、それですか」 あくまで戦闘態勢を崩さず、神裂は言う。 「まず、私のすぐ近くで発砲音がしました。おそらく3M手前程度のところでしょうか?私はそれに気づきました」 いや、誰だって気づくのだろうが… ―――――『普通の人間』なら、気づいた時点でもう手遅れだ。 「しかし、周りに私たち以外の人間は存在しません。事態が理解できなくなった私は、とりあえずあなたたちを抱えて回避行動に移ったまでです」 ―――――しかし、神裂は果たして『普通の人間』なのだろうか? ―――――否。 「軽く100M程度はなれたのですが、やはり誰かが存在するようには見えませんでした。しかし、そこは超能力が何か関係しているのだろうと割り切り、攻撃行動に移りました。『わざわざ銃を使わなければいけないほど弱い相手』ならば、この短時間で長距離を異動することは出来ないと思っていましたからね」 ―――――神裂は、『普通の人間』なはずがない。 「とりあえず、七閃をやたらめったらに放っただけだったのですが、何回か手ごたえが伝わりましたよ。おそらくまだそう遠くに入ってないはずですから、今から捕獲に行きましょう」 ―――――闇に堕ちた『普通の人間』ではなく、神から生まれた『聖人』なのだから。 ―――――もともと、彼女が住んでいる世界とほかの人間が住んでいる世界は、根本的に違っている…という、ただそれだけの話。 改めて目の前にたっている『存在』について思い知らされ、今更ながら自分たちの手は神裂には届かないことを、天草式は知った。 8 精神操作(メンタルコントロール)の目の前に、外国製らしき大剣が突きつけられた。 「ッ」 とっさのことに、何かを発音することもできず、後ろに跳び退る精神操作(メンタルコントロール)。 必死に後ろに転がってから体勢を立て直し、隙なく拳銃を前に構えると、 大剣を構えているのは、あの妙な服を着た男だった。 その大剣は本来両手持ちなのだろうが、その男は右手一つで軽々と扱っている。 (…通常ではあまり考えられない筋力、ですか…でも、鍛えればあの程度は…) しかし、重要なのはそこではないようですね、と精神操作(メンタルコントロール)は考える。 (能力者が、武器を所持している?しかも常備しにくい大剣…まさか、外からの刺客でしょうか?) …とりあえず、殺す必要がありますね…と、精神操作(メンタルコントロール)は引き金にかけた手に力を込めて… 次の瞬間、 ガチャリ、と、 精神操作(メンタルコントロール)の後頭部に、何か冷たい金属のような物が押し当てられていた。 とっさに後ろを振り返ろうとするが、その、何かよく分からない金属のような物で無理矢理押さえつけられる。 「やめろよ。どっちが優勢かぐらい、分かってるだろう?」 後ろから聞こえたのは、先ほど狙いを定めていた金髪の男の声。 しかし、明らかに違う、と精神操作(メンタルコントロール)は思う。 さっきの男の声からは、特に何も感じられなかった。言ってしまえば、友達と普通に話す男子の声みたいなものだ。 だが、今耳から伝わってきた声は、違う。 まるで言葉だけで相手を操ってしまうような、それでいて相手にまったく自由を与えない、拷問官のような声。 さっきの声とは、似ても似つかない。 その声の主が、言う。 「さて、一応確認するが…反乱因子、で良いな?」 「…本当に、確認するまでもない質問、ですね…」 なぜか少し笑いながら、精神操作(メンタルコントロール)は応える。 「肯定だな。では、今からお前をちょっとしたところに送るが、抵抗はしないように」 言葉ではそう言っているが、抵抗してくることぐらい承知だろう。 …腕や足の一、二本、持って行かれるか…?と精神操作(メンタルコントロール)は危惧するが、 やはり抵抗しないわけにはいかない。 だが、状況は絶望的。 理由は知らないが、なぜか自分の存在は完璧に相手にバレている。 そして、それらの相手の実力も、未だ未知。 おそらく相手の方は、自分たちのことを少しは分かっていることだろう。少なくとも、超能力者(レベル5)であることは割れているはずだ。 …この状況を、打破できるでしょうか…? 精神操作(メンタルコントロール)は考える。 …いや、 打破できるかどうか、ではありませんね。 精神操作(メンタルコントロール)は、結論付ける。 …打破しなければ、なりません。 そうして、精神操作(メンタルコントロール)は絶望的戦況の中、抵抗を始める。 9 「おいおーい。ぜんぜん役に立ってねぇじゃんかよ、こいつら?もう死んじまうぞ?」 否定事項(ノットアクション)が、垣根聖督に向かって言う。 「ふむ。相手も予想以上に強いこともあってか、あまりデータも採れなかったしな」 聖督には、特に困ったような様子はない。 「どうするつもりぃ?まさか、このまま無駄死にで終わらせるつもりかなぁ?」 希望現実(リアルホープ)が、甘ったるい声で言う。そのくせして無表情だから、絶対能力者(レベル6)の中では一番奇妙だ、と聖督は感じる。 「今まで力を制御(セーブ)していたが、もはやその必要もないな。さっさと力を解放させて、手傷を負わせたほうがこちらの利益になるだろう」 と、聖督はそう言いながら、その部屋の唯一の出入り口である、強固な扉のほうに視線を投げる。 「原子変換(ナノチェンジャー)なら、1000人抜きやってくるって言ってたぞ?良いのか、あいつにそんなにホイホイ人材投げて」 否定事項(ノットアクション)が聖督に言い、そして聞く。 「絶対能力者(レベル6)の育成のためだ、それくらいなんともない」 「いやぁー、超能力者(レベル5)量産計画も驚きの、なんと大能力者(レベル4)超量産計画!残り3万人近くいるんだっけかぁ?」 「うげ、そんないんのかよ気持ち悪ぃな。んだったらサクっと殺したほうがいいかもな?」 絶対能力者(レベル6)が、各自思い思いの発言を勝手にする。 「いや、そうともいかんよ。死体処理に1000人近く回さなければいけないし、護衛や反乱防止にもかなりの人員を割いている。水道水の水みたいに、出しっぱなしでいいようなものではない」 「つっても、俺らが殺す分には惜しみなく投げるんだろ?ほんとどうかしてるよなぁ」 否定事項(ノットアクション)が、つまらなさそうに言う。 「それに、さすがに大能力者(レベル4)じゃ物足りなくなってきたよぉ、僕は。あいつもそうだから、1000人抜きやるーとか言い出したんでしょぉ?もういっそさぁ、超能力者(レベル5)量産して繰んないかな?」 意外に最後の言葉は本心らしく、珍しく語尾を上げなかった希望現実(リアルホープ)。 しかし、聖督はその願いを一刀両断する。 「無理だな。学園都市がその力を注いでもなしえなかったことだ、さすがにこの私では出来んよ。大能力者(レベル4)の量産で精一杯だ」 PCの画面から目を逸らさずに言う聖督。 と、いきなり扉が開き、何者かがその部屋に入ってきた。 その人物は、 「あ、お帰り原子変換(ナノチェンジャー)さん♪どうだったぁ大能力者(レベル4)1000人抜き?ってか1000人殺しかなぁ?ww」 凛とした美少女…原子変換(ナノチェンジャー)だった。 原子変換(ナノチェンジャー)は言う。 「やはり手応えがなかったな。所詮雑魚が1000人集まっても雑魚だ。大能力者(レベル4)は大能力者(レベル4)だな」 「だが、ある程度戦闘にも慣れてきただろう?」 聖督が聞くが、原子変換(ナノチェンジャー)は無愛想に言う。 「計4000も殺せばさすがに覚える。というか、逆にもう戦闘に対して緊張感を持てなくなった」 と、そこで聖督がまた言った。 「ところで、君の服についているそれは何だ?血か?」 おそらく聖督が言っているのは、原子変換(ナノチェンジャー)の体中にべっとりとこぶりついている赤黒いしみのことだろう。 原子変換(ナノチェンジャー)は特に感慨なく、 「ああ、返り血だ。別に支障がなかったから放置していたのだが、不快感を催すのならば消そう」 そういって、原子変換(ナノチェンジャー)は一瞬目を閉じた。 そして目を開けたときには、もう彼女の体には、血など一滴もついていなかった。 「ところで、超能力者(レベル5)たちは今どうなっている?」 何事もなかったかのように問う原子変換(ナノチェンジャー)。周りもまったく気にしていないのだが。 「ああ、今から力を解放させるところだ。さて、相手を何人殺せるか」 聖督は、PCのモニタを見つめたままだ。 「全員は殺せないと?」 「だろうな。そうでなければ、君たちの出番は一気に減るぞ?」 「それは困るな」 今まで発言していなかった否定事項(ノットアクション)が、ポツリと言う。 「んじゃ、今度は俺が大能力者(レベル4)のこと殺してくっから」 そう言い、手で原子変換(ナノチェンジャー)を扉の前からどかせて部屋を出て行く否定事項(ノットアクション)。 「開放させるのならばさっさと開放させたらどうだ?さすがにもう持ちこたえられないだろう」 原子変換(ナノチェンジャー)の目には、必死で逃げ回っている超能力者(レベル5)の姿が、モニタを通じて映っている。 「いやぁ、滑稽だねぇ~。弱いことが罪だってことを改めて感じさせられるよwww」 希望現実(リアルホープ)が、心底面白そうに言う。 聖督はそれを無視し、 「では、開放させるとするか」 その手を開いた。 その中には、色とりどりの綺麗な宝石のようなものが眠っていた。 が、聖督が手を開いた瞬間、それらは蒸発したように消えてしまった。 「ある程度の戦果とデータは挙げてくれよ、超能力者(レベル5)」 特に望んでいるような抑揚もない声で、聖督は言った。
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札幌市民は逆走に対して違法性を感じていません 一方通行じゃないのに道路の右側に路上駐車 一方通行出口のそばに駐車場があれば出口から進入 高速道路での逆走も時々ある
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 第3部 第10話 第二章(5) 9月11日 午前0時 <美琴サイド> 研究所内 副所長室 私は、当麻と一方通行を「送った」後、モニターから片時も目を離さず、情勢を 見守っている。超短時間だったが理想送りの解析結果はおおむね正確だったのだ ろう。2人の位置は確実に追跡できている。 (まあなんとかなりそうだな) 私は胸をなでおろしながら、あくまで慎重に情勢を見守る。 (あの2人なら・・少々のことならぶちのめす・・はず) だけど、もしも当麻は失えば私はこれから生きていけるのだろうか・・正直 不安はつきない。事前の情報では1体の劣化したとはいえ魔神がいる。 AAAの砲撃により劣化、弱体化術式を撃ち込まれ全部死ぬはずだったのが、計算誤り で1体がまだ死んでいない。 (まあ、アレイスターが納期前に実証試験もやらずに無理やり実行させるから失敗 しても当然よね。) それでも、もう・劣化したから、位相を操る能力は・・たぶんほとんど残っていない だろう。 大丈夫・大丈夫・・それに、最悪無理やり回収すればいい。 それより問題は一番の危険人物木原唯一をどうするか。 力技で殺すのは簡単。証拠なんて何にも残さずに、だが、アレイスターに くだらない借りは作りたくない。 一応、これでも風紀副委員長・・ある意味正義の味方だ。殺すのではなく、法律で彼女 を裁く。 (まあこの小細工が役立つだろうかしら・・) 上里の右手の詳細情報と・・その嘘の保管場所を上里勢力と、木原唯一に送り付けた。 私は、能力で再度取り付けた自分の腕を伸ばし、自分の士気を鼓舞するように 一言を放つ。 「全員まとめて器物損壊の現行犯で一網打尽にしましょう」 「そのほうがあとくされなくていいでしょ。」 私は、モニターを確認し、お客様が周囲に散開していることを確認する。 「さあてそろそろ始めましょうか・・」 私は、私の小細工にはめられた木原唯一とそそのかされた少女達に 憐憫の情をこめながら、警備ロボットを稼働させる。 「ふふ・・ついにこの日が来たのね・・人はいつまで戦うのかしら」 「ロールアウトしたファイブオーバーその威力見せてもらうわよ」 私は、木原唯一に、上里の右手の情報をインプットし、上里ハーレムには右手が 上里を取り戻す鍵という情報をインプットした。 双方に、反面の事実だけを伝えることで、木原唯一に、上里ハーレムに接触させ、 ただ上里の帰還を願う上里ハーレムは、唯一を受け入れその指示に従っている。 もしも、上里ハーレムがクールボックスに保存する右手が本物なら唯一は上里 ハーレムを使い世界をも制覇出来たかもしれない。 だが・・ あの右手は模造品デコイ・・私が再現した、ただの模造品。 (まあDNAレベルまで一緒だから判定しようもないけどね) 疑うこともなく単なる偶像に振り回されるのは、迂闊としか言いようがないが、私の 研究所を破壊し、私の暗殺を企てる以上、犯罪者は犯罪者として糾弾させてもらう。 私は、網にかかった侵入者の末路に想いを馳せながら、思考を切り替える。 「結標、木原唯一を指定の座標まで転移させてくれない。」 こちらがせっかく和解の機会を提供したのに、それを無視したやつにはそれなりの 罰を与えよう。 <上条サイド> 俺は美琴に送られた、異世界で目を覚ます。 隣にどうやら一方通行も送られているようで、まずは一安心。 (だけど・・異世界ね・・確かに美琴の言う通り現実世界の延長にしか見えないな) (どうやら・・。しかも学園都市の廃棄物処理場か) 俺は意識を、周辺に移し、状況を確認する。 (どうやらここに上里はいないか) 俺は、美琴にもらった計測装置を確認する。上里の生体反応を確認し、その位置を 表示する装置だ。その表示だと、約5kmほど離れた地点で、上里と魔神1体が同じ 位置にとどまっている。 俺はその情報を一方通行へ伝える。 「で・・上条・・どうする気だァ」 「どうせ、魔神はすぐに俺たちがここに来たことに気が付く」 「待ちかァ」 「いや・・1分以内だろう。今移動している」 俺は、腕時計のような計測装置で、魔神と上里の到着を確認する。 「どうやらおいでなさったようだ」 木乃伊のような奇怪な骨と皮だらけのケッタイナ存在・・ 魔神 僧正 計測器のモニターにはそう表示されていた。 隣に上里?という一見普通の高校生を連れている。 「でエ?」 「とりあえず話好きだから話は聴けとさ、美琴は」 「ほオ・・」 俺と一方通行は、顔を見合わせて僧正が何を言い出すのか身構える。 が、実際には想像以上にぶっ飛んだジイさんだった。 「ほう・・?上条当麻・別名幻想殺しだったかのう」 僧正は、隣の学園都市2位など存在しないように俺だけに話かける。 「で、上里なるものを回収しに来たと・・そうゆう話かのう」 一方通行が、存在を無視されて不服そうに、僧正を睨みつける。 俺は、話をぶち壊されると困るので、一方通行を目で黙らせる。そもそも 圧倒的に戦闘力が上の存在に、できるだけつまらない戦いなど避けたほうがいい。 一方通行は俺の意思を察知したのか、不服そうだが発言を抑える。 「上条とやら、おぬしは御坂美琴がおぬしと婚約する前は、我らグレムリンの魔神 の合意で採点者になる予定じゃった。」 「だが、おぬしにその話をする前に、御坂美琴は我らからお主を取り上げ、我らを 人間アレイスターと結託し、おぬしらの世界から追放した」 「なんて御坂美琴に聞かされていたかのう?」 俺は正誤の判定しようもない話を聞かされ、ただ話を聴き続ける。 「まあ、アレは、御坂美琴は、自分が魔神に相当する存在になりつつあることに気 が付いておらんようじゃがのう・・」 「で・・まあそれは前置きじゃが・・正直な話・・ここは退屈でな・・上里が きたおかげでなんとか飽きずにすんでおるのじゃ」 俺は僧正のなぞかけに意味をやっと理解する。 「で・・上里を譲るわけにはいかない?」 「うほほほ・・それでは高い点はやれんのを・・」 それまで口を噤んでいた一方通行が、たまらずに口を開く。 「おイ・・俺がテメエを愉快なオブジェに変えてしまえば終わりだよなア」 僧正は、相変わらず一方通行などそこにいないかのように反応しない。 一方通行はたまらずに攻撃を始める。 バン・・轟音を立て、ほとんど瞬間的に近隣のビル傍へ移動する。 地面に手を合わせ、地球の自転エネルギーの一部を運動エネルギーに変換し、 目の前にビルにたたきつける。数十万トンはありそうな高層ビルが、超音速に 加速され、僧正へぶつけられる。 「はァ・・これで・・?」 一方通行は今の現象が信じられないのか、目を丸くする。 「ほほ・・なんかぶつかったのかの・・」 僧正は片手、ぶつけられたビルを垂直にはねのける。 「はァ・・一方通行だったかの・・ベクトル操作かの・・」 「なかなか面白い見ものじゃが・・・魔神になりつつある御坂美琴の超荷電粒子砲 とやらに比べてささやかじゃのう・・」 一方通行は自分の渾身の攻撃がまるで通用しないことに衝撃を覚えたのか一言も 発しない。 「つまらんのオ・・上条」 「おぬしの婚約者でも一緒なら、楽しませてくれそうじゃが」 僧正は、片手を振り上げ、持ち上げる動作を始める、たちまち僧正の後ろに 山のような巨大な土塊が形成される。それが、僧正からあふれ出す熱のようなもので 沸騰し、酸化ケイ素の融点約1000度に達し、にぶい光を放出し始める。 ポイ・・ 僧正はためらうこともなく俺たちに投げつける。余りに高速なのか、音すらすぐには 到達しない。 (オイオイ・・まったく話が通用しないぞ。このままじゃ・・一方通行はともかく 俺は死ぬ) だが俺は死ぬことはなく、一方通行が事情を察知し、瞬間的に黒々とした数百枚の羽 根を広げ、土塊を跳ね返す。莫大な小山に匹敵する土塊はすべて散らされる。 僧正は、初めて敵として一方通行を見つめる。 「ほほほ・・一応天使の力の片鱗を使えるか」 「ならば少々遊ばしてもらおうかのオ・・」 僧正は手を大地につけ、なにやら始める。 「ほほほ・・まあどうせおぬしら以外は住民もおらんしのう・・」 「オイ・・何をする気だ・・」 「わからんかの・・」 ドオ・ドオ・ドオ・・ 耳をつんざく重低音のまるで地球が割れるような、轟音とカタカタと震度4くらいの 細かな揺れが次第に強さを増しながら響きわたる。 「マグマ・オーシャンて言葉を知っているかの?」 俺はそれほど成績のよくない高校生当然知らない、が・・隣の一方通行は違う。 学園都市で2番目に優秀な学生。即答する。 「46億年前の地球草創期に地球の表面が微惑星の衝突で溶けていたて話かァ・・?」 「ほお・・さすがに知っておるか・・」 「それをじゃ・・再現させてもらおうかのう・・」 僧正は、軽くまるで電子レンジで米を炊くような口調で、さらっととんでもないことを 言い始める。1兆分の一の力に弱体化されようが魔神は魔神、小さな惑星の表面をす べて溶解するなど些細な事だと。 あっという間に、僧正と俺たちの周辺を除く見渡す限りのすべての大地が、溶岩の ように煮えたぎり、莫大な赤外線を放出し始める。 温度計がないので測定しようもないが、おそらくは、2000度はありそうな灼熱 空間で意識が飛びそうになる。一方通行は赤外線を反射できそうだが、右手だけでは 全身から照射される溶鉱炉のような赤外線を防ぐすべもない。 「もう・・あきらめてもらおうかのう」 「できるか・俺は美琴に約束した上里を連れ帰ると・・」 「ほほほ・・その状態でどうする気やら・・」 一方通行は、手を地につけ、溶岩全体の熱を奪うように演算を開始するが、あまりの 質量の地球全体に広がる、深さ10kmのマグマ全体の冷却はさすがにできないの か、状況は一切変わらない。 「楽には死んでもらわんよ」 「はあ?」 「この空間は24時間ですべてがリセットさせるようじゃ」 「テメエ・・」 「何度でも安心して殺せる・・とまあそんな話だろうて」 「テメエ・・それだけの力がありながらツマンネエ野郎だな」 強がりは吐くが正直しゃべるのもつらい。 俺は、溶岩に熱せれたサウナという表現すら生ぬるい刺すような熱気で肌を焦がされ フライパンの焼き魚になった気分だ。所詮は右手で触れたものしか打ち消すことが できない中途半端な能力。神様に太刀打ちなどできるはずもない。 (くそ・・このままじゃ・・) もう限界だ。後30秒で俺の肺は焦がされ、死ぬだけだ。一方通行も莫大な赤外線を 無力化するのに力を喰われ、そう遠くないうち意識が飛ぶだろう。 薄れゆく意識の中で必死に婚約者を呼び続ける。 (美琴・・すまん。お前の言う通りにしておけばよ・・) もう終わり・・だ・・そう思った瞬間・・異変は起こった。 あれほど、地平線の果てまでおそらくこの小さな惑星一杯まで広がった猖獗を極め たマグマが急速に冷却され、普通の土くれに変わっていく。余りに突然の変化で俺は 頭が切り替わらないが、こんな惑星規模でエネルギーを操作できる存在は、おれは 一人しか知らない。御坂美琴、俺の配偶者だ。 姿は見せないが、天上から突然声が響き渡る。 「当麻、おそくなってごめん」 「ああ、何とか死なずにすんだよ」 俺は、かろうじて命が救われたことに胸をなでおろす。 いくら何度でもやり直せるにしても単純に死の恐怖は怖い。 俺は美琴の介入によって、どうやら命だけは助かり安堵の溜息をつく。 美琴の声は突然、僧正に語り始める。 「私には貴方を糾弾する資格なんてない」 「だけど、今の貴方のやり方には賛成できない」 僧正は、美琴の青臭い言葉に軽く反応する。 「ほお・・ひよっこが言うの・・」 「ええ・・アンタの言うとおり私に人生経験なんかしれてるのは事実」 「だけど、聡明なアンタなら弱いもの虐めのくだらなさくらいわかるでしょ」 「弱いもの虐めだと?」 「ええ。今の当麻や一方通行じゃどう逆立ちしてもアンタに太刀打ちできないくらい わかっているでしょ」 「それを自分の思いのままにならないから、問答無用に地球ごと壊すなんて間違っ ているわ」 魔神僧正は骨だらけの体をかさこそと音を立て笑い始める。 うほほほ・・ いかにも馬鹿にしたような驕りが滲み出た笑い。 「つまらないの・・破壊力こそ突出しているだけで後はお子様か・・」 冷ややかさなアルトボイスが俺の胸に響き渡る。 「アンタも長く生きた割には随分三下なセリフね・・結局仏教界で現実的な 方法ではなんら力を得ることができず、しかも即身仏として認めさせる ことに失敗したただの失敗者じゃないの・・」 僧正の顔に、はっきりと動揺が広がる。ただの小娘が、自分の過去をズバリ指摘 されたのか、自分の黒歴史を思い出したくないのか明らかに震え始める。 「なぜ・・それを・・知っている?」 「さあね。私はアンタ達と違ってもともと才能のない劣等生なのよ、それを自覚し、 必死で巨大な障害を何度も乗り越えた。だから・・当然ライバルとか敵のことは隅々 まで調べるわ」 「ほほほ・・これは少し舐めていたかの」 「アンタの能力は土を扱う能力よね・・ベースは。だったら河川の改修工事や 田畑を造成して貧しかった中世農民をいくらでも豊かにできたでしょう」 「空海や行基のことを言っているのかの・・そんなもの脚色である事を 知らん御坂美琴ではあるまい」 空間のどこからか大きなため息が響く、 「これだから・・神様風情は困ったものよね・・ひねくれすぎよ」 「アンタには力があるじゃない。でも現実に何かしたの?」 「アンタが偽善者と言うアンタから見ればささいな空海なんて誰でも知っているわ」 「どんな小さくても一歩を踏み出した空海のほうが、文句だけぶーたれるアンタより 何倍もましよ」 「ははは・・はおぬしに何がわかる」 「儂を勝手にこの世から奪おうとしたお主に・・」 「勝手・・ね。アレイスターの運命を狂わし、全人類に2度の大戦を起こし おもちゃのように運命を操ってきた貴方達にそんな事を言う資格なんてないわ・・」 「余計なお世話じゃ。70億人を一度殺したお主にも儂を裁く資格なぞないのでは ないか」 「ええ・・だから・・私ではなく当麻に判断してもらうわ・・」 美琴のアルトボイスが空間に響き渡る。その刹那無数の光の柱が僧正の体に 突き刺さる。あれだけ飄々とした僧正がうめき苦しみ始める。 「何を・・」 「これはね・・呪詛・・よ。貴方達の不作為や思いつきで命を奪われた無辜の民の 慟哭よ」 「当麻・・今なら幻想殺しで僧正を倒せる。当麻がどうするか決めて」 「ああわかった」 正直言ってどっちが正しいのか俺にはよくわからない。だが、常に少しでも前進して 前向きに事を運ぼうとする僧正、あり余る力をただ自分の思い付きのまま行使する 僧正に率直に言ってひとつも同情する気にならない。 まあ考えるまでもないか・・ 「僧正、俺はお前の信念や気持ち、歴史は知らない。だが、いきなり話もせず、力 のないものを嬲り殺すようなやり方にちっとも賛成できない。お前が、力で脅せば すべて済むなんてそんな幻想を抱いているなら、幻想ごとお前をぶち殺す」 俺はただの右手を、突き出し僧正の骨だらけの体をぶっ飛ばす。 魔力をほとんど失ったほとんど質量のない体は、一撃で9割以上崩れ去った。 ・・その瞬間俺の意識は飛んだ・・ 11日 午前4時 私は、回収した当麻と一方通行をベッドの上に寝せている。 木原唯一と上里ハーレムを全員拘束し、研究所の地下倉庫に人の脳を昏睡させる 低周波音波攻撃で黙らせている。 まあ無事終わったわね・・・・ (正直・・ヒヤッとしたわ・・僧正に当麻を殺されるかと思ったわ・・間一髪ね) 一方通行はまだ昏睡しているが、当麻は瞼をもぞもぞ動かし、目を覚ます。 私は、頑張ってくれた当麻に軽く接吻を交わす。 (本当に帰ってきてくれてよかったわ・・) 私は、ミルクティーとバームクーヘンを接客テーブルに準備し、当麻を 進める。 「当麻お疲れ様」 「美琴・・終わったぞ」 「ありがとう」 私は冗談半分で当麻へ苦言を言う。 「だから・・言ったじゃない。本人が直接行くなんて」 「悪い、本当美琴言う通りだったすまん」 当麻は、 「で・・僧正はどうなる」 「死なせないわ・・ふふ・・・死なしてなるもんですか・・」 「美琴ならそう言うと思っていたよ」 「私はね・・あんな奴を簡単に殺したくないのよ。」 「そうだな・・。」 「私はね、少なくとも力を持つものにはそれなりの責任と矜持がいると思うのよ」 当麻が私の事を真剣に見つめる。普段はどことなく、チャラ男的なとこもなくはない 上条当麻が私と真剣に心のやり取りをするときの、鋭いまなざし。 (・これがあるからころ私は当麻を愛したのだから・・) 「ああそうだな」 「彼は、挫折の末に、魔神になった」 「だけど、その得た力を何ら有効に活用しなかった」 「正直・・・私にはわからない。ただこの世界を滅ぼす力を得ただけであれほど 狂う理由がね」 「彼は・・仏教界に絶望し、即身仏になることさえ否定され、その恨みで魔神 なった。その絶望を私は理解できない」 「それでもやっぱり・・彼を肯定できない」 私は当麻の傍へ体を預け、当麻は私の頭を撫で始める。 私は、当麻が撫でるままに任せる。 「やっぱり当麻の体は暖かい、そばにいてくれるだけで心が休まるわ」 「ああ、俺もだ」 「ね・・当麻は今日は休もう?」 「え?学校が・・」 「いいわよ、どうせ授業なんて聞かないでしょ。大丈夫、風紀委員の特別任務で 公休を申請するわ。だから・・美琴様に感謝して・・ね・いいでしょ」 「俺に拒否権はなさそうだな・・」 「ふふ ありがとう・・」 「じゃ・・まずお風呂に入ろう」 「ああ・・」 「楽しませてね」 続く 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン)
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いつの間にか消えていた。美琴と一緒に…… 「あのど素人が!!」 「腕ではなくアレを切るべきか?」 「ウィリアム、その意見に賛成だ。」 「面白そうだから私も行くにつき~!!」 「そうだな行くか!!」 最大主教や女王も殺る気満々である(色々お世話になっていると言うのに楽しそうだからと言う理由で…)。 「ちょっと待てェ!!」 一方通行はとある装置を手にしていた。 「白いの、それは何ですか?」 「これにはなァ、とある会話が録音されてるンだよ。……上条当麻と御坂美琴のベッドの会話がなァ!!」 「「「「「「「「「「「「ベッドだとぅ!?」」」」」」」」」」」」 「だからよォ、これ聞いてからでも遅くねェっつってンだよォ。」 「そんなの待てるわけ無いのである。」 「これ聞かねェと一生後悔すンぞ?」 「ベッドは超ヤバイです!!大体ここには超子供もいます!!」 「つべこべ言ってねェで流すぞォ。」 一方通行がスイッチを入れる。 いつものあれである。 聞いたものが涙せずにはいられない音声テープである。 5分後。 「ぬぉおおお!!上条を疑った私が愚かだったのである!!」 「上条は、本当の騎士だあああ!!!」 と、いう感じで収まった。 が! 「「アクセラレータくぅううううんん!!」」 一方通行はビクッとして、そして振り返る。 そこには上琴ご両人のお姿が。笑っているが殺気がものすごい。 「な、なンの御用ですかお二人さン??」 一方通行がガタガタ震えて敬語になるくらいに。 「この間焼き肉店で流れた時は土御門の仕業と思ってたけど…」 「月夜さんに聞いたらその時土御門さんはそれどころじゃなかったらしいのよねえ。」 「それで不思議だと思ってたんだ、なあ美琴♪」 「ほんと、都市伝説かと思ったくらいよねえ当麻♪」 「ところで美琴、人の会話盗聴した上記録していつも持ち歩いてるモヤシはどうすればいいんだろう♪」 「IHクッキングヒーターで炒めるべきよ♪」 「そ、その心はァ??」 「「ブ・チ・コ・ロ・シ・確・定・ね(だ)このクソモヤシ!!!!!」」 殺される寸前で一方通行に救いの手を差し伸べたのは初春だった。 「当麻お兄ちゃんに美琴お姉さん、ちょっと待ってもらえます? 一方通行さんを料理するかどうかはこれを聞いてからでも遅くありませんよ」 そう言って初春が花飾りの中から取り出したるはボイスレコーダー(初春特製)。 スイッチを入れて聞こえてきたのは、一方通行がロリコン疑惑を解消するために言った決定的な一言……ではなく、 【……ああ。仕方ねェけど認めてやらァ。俺は、打ち止めに確かに惚れ……てる。一生懸けてあ、アイツを守ってやンよォ】 かなり脚色された、しかし違和感ゼロの一方通行の宣言だった。 会場がどよめく中、一方通行は顔を真っ赤にさせて初春に詰め寄ろうとするがそれは当然ながら叶わない。 「て、てめェらァ! 邪魔すンじゃねェ!」 「さっきはしてやられましたが今度は超そうはいきません。あなたの超細腕で私の『窒素装甲』を振りほどけるのなら話は別ですけど」 「あなたも懲りない人ですね。初春に手を出したらどうなるか、そろそろ本当にその体に刻み付けましょうか?」 「白いの、これで最期なのよな。次に飾利姫に手ぇ上げたら切るもん切ってやるのよ」 怒りの収まらない一方通行だが、両腕を絹旗に、両脚を神裂に、そして眼前にフランベルジェを突きつける建宮を前には大人しくするしかない。 初春は3人に目配せで一方通行を解放するように促すと、ボイスレコーダーを花飾りの中に収納してから一方通行に囁く。 気付けば上琴もすでに怒ってはおらず、打ち止めに感想などを楽しそうに聞いている。 「恥ずかしいのは一瞬です。慣れたらそれほど気にならなくなりますよ。それとも本当に焼死したいんですか?」 「……チッ、分かったよォ。それにさっきのであのバカップルの怒りが消えたのは事実だしなァ。か、感謝しといてやンよォ!」 「感謝なんていりません♪ 私はカップルの味方なんですから」 初春はそう言うと3人の守護者を連れて主催者達の所へ向かい、ゲームの最終確認を始めるのだった。 その頃、打ち止めへの告白(初春カスタム)を皆に聞かれた一方通行は…… 一方通行はもう素直に死にたいと思った。 その頃のメイド達は… 「しかし流石上条当麻ですね。一体どれだけの名言を隠し持っているのだか…… 私の知る名言は一握りだということを初めて知った気がします。」 「ところで神裂さんはどうやって上条さんと知り合ったんですか?」 「それはさすがに初春にも言えません……。」 「それは残念です。」 「でも超イマジンブレーカーお兄ちゃんの名言は超すごいですよね!!」 「絹旗、俺もその意見にそげふ!!」 「浜面は超黙ってて下さい。それより神裂さん、貴方が知ってる超名言を教えて下さい!!」 「名言くらい教えてくれてもいいじゃないですか!!」 中学一年生三人が期待している眼差しをしている。 「そうですね・・・ちょっと長いですけど・・・」 「「「(超)何ですか!?」」」 「『(前略)(中略)(以下省略)』とか・・・」 「「「おぉぉぉぉぉ」」」 「あとは『ちっとぐらい長いプロローグで絶望してんじゃねえよ!! 』とか・・・」 「何か分からないけど凄いですね」 「それと、『それだけの力があって、これだけ万能の力を持ってるのに……何でそんなに無能なんだよ…… 』とか……」 「前後がないと超意味不明ですけど凄いことは伝わります」 「まぁ、前後はいろいろあって教えられないんですけど・・・」 「でも、当麻お兄ちゃんはとにかく凄いんですね」 「まぁね」 「ああ、そういえば肝心なのを忘れてました。」 「「「(超)何ですか!?」」」 「いや、これは決め台詞でしょうか……」 「「「それでも良いから(超)教えて下さい!!!!!!」」」 「ええとですね……『まずその幻想をぶっ殺す!!』等の『テメェの幻想ほにゃらら!!』などがありますね。」 「「「おおーーーーーーーー!!」」」 「なんかすごいカッコいいですね!!」 「超イマジンブレーカーだけに『幻想』シリーズですか……」 ここまでの会話は良かった。が、この後の初春の発言がまずかった……。 「神裂さんって当麻お兄ちゃんのこと詳しいんですね!!」 と、 その言葉を聞いた電撃姫は立ち上がった。 「ど、どうしたの美琴ちゃん!?」 今までベッドの話でおちょくっていたのに突然もの凄い殺気を出す美琴に驚く美鈴。 「当麻?何であの人当麻の名言やら決め台詞やら知ってるの?」 「み、美琴サン!?何故怒っていらっしゃるんですぅ!?」 「だってあの人当麻の名言やらキメゼリフやらいっぱい知ってたじゃない!!私の知らない言葉ばっかり!!」 「ちょっと落ち着け美琴!!」 「落ち着いていられるわけないじゃない!!」 美琴はいつの間にか泣いていた……。 (あああ、どうすりゃいいんだーーーっ! いつものように抱きしめてキス…ダメな気がする。神様! 上条さんに救いの手を!) いつもと違い、怒るのではなく泣くというリアクションを取った美琴に当麻の思考はショート寸前。 そこに神に祈ったのが通じたのか、送られてきたのは一通のメール。 【美琴お姉さんしか知らないことも沢山あるはずです。それを限界ギリギリまで暴露しちゃいましょう♪ 大丈夫、それは絆の証明だから恥ずかしがらずに、ね♪】 (はぁ、それしかねーよなぁ。それにしても新しい妹はお節介なことで。でもまあ、美琴の涙を止める策を授けてくれて感謝感謝ですよ) メールの主に感謝しつつ、当麻は恥ずかしい気持ちを抱えつつも盛大なのろけをぶちまける決意を固めた。 一方でメールの主はというと、 「本当にお世話し甲斐のあるお兄ちゃんとお姉さんですね~」 「どうかした? 初春」 「何でもありませんよ。ただ、もっとラブラブになってくれたら嬉しいなって♪」 「???????」×佐天&絹旗&神裂&建宮 これから始まる当麻の大奮闘を思い、笑顔を浮かべるのだった。 そして美琴の涙を止める為、当麻ののろけ話が会場に炸裂する! 「…美琴」 「…何よ、バカ…」 「バカはお前の方だろ。」 「なっ!!」 「だって、神裂が知らない俺をお前は知ってるだろ?」 「…例えば…?」 「俺のここの事とか」 そういって頭を指差す。 「あ…、」 「これはお前しか知らないの、お前しか頼る事できないの、分かるか?」 「うん…」 「お前は俺にとって支えなんだよ。その支えが泣いてたら俺は何とかしてやりたいだよ。」 「うう…」 「って、なんでまた泣いてるんだよ!!」 「だってぇ…」 「だって?」 「当麻の支えになれて嬉しいんだもん。」 そうやって二人は美しいキスをした…。 「…すげー。」「…羨ましい。」 「へっ!?何て言った滝壺?」「何も言ってない。」 「あ、それと当麻の事、たぶん私しか知らないことあるよ♪」 「へ?」な~んかドタバタになりそうだと思いつつ美琴の次の発言を待つ。 「当麻って変な所にほくろが有るんだけど誰か場所知ってる人?あ、詩菜さんと刀夜さん以外で。」 「「「「「「「「「「「ほくろ?」」」」」」」」」」参加者全員わからない。 「ってかカミやんにほくろってあったかにゃー??」 「「「「「「「「「「知らな~い」」」」」」」」」」全員一致。 そして美琴が爆弾発言(?)を。
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大会デッキ 一方通行曰くライロやBF、魔轟神などの滅茶苦茶ガチなデッキのことである。 さらに追加をするのであれば、六武衆や、sin等がある 関連項目 一方通行
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「おかえりなさい、ご主人様!ってミサカはミサカはまずマニュアル通りの挨拶をしてみちゃう!」 「………………」 黒いワンピースに白いフリルのエプロン、頭に白いヘッドドレス、 ひらりと舞うスカートは少しばかりサイズが大きいのか小さな少女が摘まんで持ち上げてもなお歩いている細い足にまとわりついている。 今にもロングスカートの裾を踏みつけて転んでしまいそうな少女は、それでもとてとて危なっかし足取りで白い姿を見るなり一直線に駆け寄ってきた。 何というか主を待っていた犬のような健気さである。彼女にもしも尻尾があればぱたぱたと振っているのが見えたに違いない。 一方通行はそこまで目で見て確認して、そして、その場で固まった。 「…とりあえず訊いてやるが、なンのつもりだ…?」 「えへへ、メイドさんだよー。知らないの?ってミサカはミサカはくるっとターンしてみたり!」 いやそれは知っているが。学園都市に生活して居ればそこらで見かけるからもちろん知っているが。 今この瞬間、ここにいる一方通行に理解できないのはそこではない。 何故眼前で楽しそうにスカートの裾を揺らしてターンしているこの幼い少女がメイド服を着ているのか、という点だった。 …しかも何でそんな「褒めて、褒めて?」みたいな喜色満面の顔で上目遣いにこちらを見ているのかこの小娘は。 以前にも何度かこういう場面に遭遇したことはあった――大抵は彼女が新しい服を買ってもらって喜んでいる時で、 「似合う?似合う?ってミサカはミサカは尋ねてみたり!」 と鬱陶しくまとわりついてきた――が、いつも通りの対処(つまり適当に聞き流して無視)をしようにも今回ばかりは完全に出鼻を挫かれてしまい、 一方通行は一度目を閉じてそれからもう一度眼前の少女に目をやった。 メイド服だった。それはもう、完膚なきまでにメイド服だった。 これがメイド服じゃなかったら世界にメイドさんなんて存在しないだろうってくらいメイド服だった。 10歳相応程度の少女が身に纏っているというのがどこか酷くアンバランスではあったが、小さいながらも姿形は立派なメイドさんであった。 ただし中身は忠犬よろしく一方通行にじゃれついてくる少女そのままだ。 棒立ち状態の彼の周囲をくるくる飛び跳ねている。鬱陶しくなったので頭を掴んで固定すると、構って貰えるとでも思ったか、少女の顔が輝いた。 「結構着るの大変だったんだよってミサカはミサカは舞台裏の涙ぐましい努力を強調してみたり。 ほらほら、ミサカに何か言う事があるんじゃないかなってミサカはミサカはあなたに感想を要求」 「知るか」 「うわぁいいつものことながら無関心だよひゃっほう!とミサカはミサカはやけっぱちになってみたり」 「っつかどこで手に入れやがった、ンなマニアックな服…」 スタンダードな形とはいえメイド服である。 10歳相当の大きさしかない打ち止めに着られるサイズのものがそうそうあるとは思えないのだが (実際、小柄な彼女には少し大きいサイズらしく、彼女は袖を折り返して着込んでいた)。 すると彼の疑問に、「えっとね」と何かを思い出すように頬に手をあてた少女があっさり解答を出してくれた。 「この間、金髪にサングラスって恰好でお掃除ロボの上に乗ったメイドさんをじっと見守ってた人から、 紆余曲折の末にお礼としてもらったんだよってミサカはミサカは数日前の出来事を反芻してみる。 あからさまに怪しい人だったけど、お話してみたらいい人だったよってミサカはミサカはちょっとした冒険を誇張してあなたにお伝え」 「よしクソガキよく聞けお勉強の時間だ。見ず知らずの人間から迂闊にモノを受け取ンじゃねェよ、あまつさえ着るな使うな! 警戒心っつーモンはねェのかてめェ!それ以前にあからさまに怪しいと思うなら声かけンじゃねェ!」 頼むからそれくらいの警戒心くらい人格データにデフォルトで入れておいて欲しい、 無いなら自力で培ってくれ、と彼はどっと心労が増えるのを感じたが、残念ながら――それとも幸運にも、と言うべきか―― 精神も肉体も未完成なままだったという過去を持っている目の前の元・実験体の少女は彼の懸念と心労を知らぬ風ににこにこ微笑むばかりだ。 この上なく無邪気に。腹立たしいほどに無垢に。 「でも、悪い人じゃなさそうだったよってミサカはミサカは記憶をたどって首を傾げてみたり」 「アレは悪人だ。いいなよォく覚えとけ。 他のクローンどもはともかく(外見年齢的な意味で)お前にとっちゃァ間違いなく害悪だ、今後二度と近づくンじゃねェ」 「……。もしやお知り合い?ってミサカはミサカはちょっとした好奇心で尋ねてみたり」 「『大変遺憾ながら』って奴だがなァ、クソ」 胸中で金髪サングラスで義妹命の人物の顔を思い浮かべ「とりあえずあのヤロウ一度必ずぶち殺す。」と決意を固め、 一方通行はソファに転がった。相変わらず打ち止めがその後をちょこちょことついてくる――のだが、 危なっかしかった足取りは案の定、スカートの裾を踏みつける。 きゃあ、ともぎゃあ、ともつかぬ色気の無い悲鳴をあげて打ち止めは転倒した。そのままべちゃり、という酷い音と共に顔面を床にたたきつける。 お前、頭に何をインストールしてるんだ、と問い詰めたくなるほど無様な転倒っぷりであった。 溜息を交えながら一方通行は長いスカートの裾を持ち上げて再び立ち上がろうとしている打ち止めを冷たく一瞥。 「ほれ見ろ、ンな恰好してるからだ」 「うぅ、助け起こしてくれたってバチは当たらないと思う、ってミサカはミサカは冷たいあなたに恨めしげな視線を送ってみたりっ!」 「助けて欲しけりゃァ言葉遣いにせいぜい気をつけろよ、メイドなんだろォが」 「………」 どこをぶつけたのやら涙目になりながら、打ち止めがこくり、と首を傾ぐ。肩まで伸びた茶色の髪が小さな顔の輪郭に沿ってさらりと流れる。 困ったような顔をしたまま、床に座り込んだ格好の彼女は戸惑いがちに口を開いた。 涙目の視線は上目遣いに、一方通行の顔色を窺うようにおどおどと泳いでいる。 「えっと、えっと――『ご主人様、助けてください』ってミサカはミサカはメイドさんっぽく言ってみ…」 そこまでたどたどしく言い掛けたところで一方通行はがっ、と凄い勢いで手を挙げて彼女の言葉を遮った。 何だかものすごく、まずい、という気がした。何がと問われたら困る。困るが、まずいのだ。 涙目に上目遣いで常の騒々しさを忘れたかのように頬を染めておどおどとあんなことを言われるのは、何だか本当にまずい。 「やっぱ無しだ」 「えええ!?何それどういう意味で無し!?とミサカはミサカは身勝手なあなたに憤りを隠せなかったり …ちょっとそっぽ向かないでこっち見てよぅ、もう、ってミサカはミサカはあなた、じゃなくて、ご主人様を揺さぶってみるー!」 ――打ち止めは次の瞬間にはいつもの騒々しい少女に戻っていた。 そのことが残念なのか安堵したのか、自分でも何れとも判断つかぬまま、一方通行はやや投げやりに告げる。 「うるせェとにかくさっさとそのアホみてェな恰好をやめろっつってンだ」 「…」 その一言に打ち止めがぴたりと止まる。 一方通行の襟首を掴んで揺すっていたそのままの恰好で、彼の膝の上にちょこんと座った姿勢のまま、彼女はふにゃりと困ったように表情を歪めた。 心なしか頭の触覚みたいなアホ毛までもが萎れてしまったように見える。 「な、なンだァ…?」 「――あのね、ヨミカワに手伝ってもらったの、ってミサカはミサカは告白してみる」 「何を」 「この服着るのをってミサカはミサカはあなた…じゃなくてご主人様の問いに答えてみたり」 律儀にも「ご主人様」というメイド風の口調だけは守ったまま、彼女は困惑した表情のまま、こくん、と俯いた。 「一人じゃこの服着替えられないみたいなの、ってミサカはミサカは困った事態を告白してみる」 「…………俺にどうしろってンだおィ」 「服を脱ぐのを手伝って?ってミサカはミサカは精一杯のおねだりポーズでご主人様にお願いしてみたり」 一方通行は勢いよく即答した。不必要なくらいに断固とした態度で即答した。 「よし分かったヨミカワが帰るまでお前その恰好のままで居ろ」 「ご主人様自分で脱げって言い出した癖に身勝手!?ってミサカはミサカは再びあなた、じゃなくて、ご主人様の身勝手さに憤慨してみたり! ヨミカワは今日は遅いから、ミサカはこのままじゃお風呂にも入れないんだよってミサカはミサカは事態の緊急性を訴えてみる!!」 「…てめェそれが主人に対する物言いかよクソガキ…」 「だってミサカはメイドさんじゃないもの、ってミサカはミサカは口を尖らせてみたり。 『無し』って言ったのそっちじゃない、ってミサカはミサカはあなたの――ご主人様の――えっとどっちでもいいけど、 理不尽な言動をびしっと追及してみたり!」 それは確かにそうなのだが。 ――ああ、何でこんなガキとガキみたいなやり取りをしているんだろうか自分は、と一方通行は溜息をつく。 膝の上でぎゃんぎゃん甲高い声で喚かれるのもいい加減煩いし、一体どうやって黙らせようか――。 「少し黙れ、クソガキ」 結局一番簡単な実力行使に出ることにする。手のひらで小さな打ち止めの口元を覆うと、しばらくもごもご言いながら暴れていた打ち止めは段々と大人しくなった。 涙目で恨めしそうに彼を睨みあげてくる、その視線を受け止めながら、一方通行は僅かに口元を歪め、やっと手を放してやった。 「――うぅ、ひどいってミサカはミサカはご主人様の仕打ちに涙してみたり」 また口を覆われてはかなわないと思ったのか、今度は大人しめの声量で大人しめに、しかしやっぱり恨めしげな視線が一方通行をじっと見上げる。 「黙ってろ、っつっただろォが」 「うー。じゃあ放して」 「……」 「はーなーしーてーくーだーさーいー、ご主人様ー!ってミサカは、ミサカは…」 ああやっぱり煩い。 膝の上でこれでもかと喚く小さな小さなメイド姿の少女をしっかり抱え込んだまま、 一方通行は今度はどうやって黙らせようか、とそんなことをつらつらと考え始めた。 手を放すという一番短絡的な解決方法を、忘れたふりを決め込んで。